私が所属する音楽プロダクションにも、度々アーティストが退職するという事態が起こります。アーティストによっては、プロダクションとの契約条件や報酬に不満を抱き、トラブルが起こってしまうことも珍しくありません。
2019年にも、所属しているプロダクションである「アートワークス」に所属していたアーティストが退職トラブルに巻き込まれました。そのアーティストは、数多くのヒット曲を持ち、「アートワークス」の看板アーティストでした。
話によると、アーティストは契約期間中の報酬の未払いや、プロモーション費用の不足による宣伝効果の低下など、プロダクションに対して不満を持っていたようです。正直なところ、私もアーティストの主張には同感でした。
しかし、アーティストはすでに有名であり、自身の音楽活動を続けることができるだけのファン層を持っていたため、ソロ・アーティストとして活動することを決意しました。そして、そのアーティストがどのように退職を進めたのかを見ていた私たちは、次のアーティスト退職トラブルが起こった際に同じ苦労をすることがないよう、退職代行の存在について調べることにしました。
退職代行サービスとは、従業員自身が退職の手続きを行う必要がなく、専門家に代行してもらうサービスのことです。会社側と退職する従業員間の紛争に巻き込まれた場合には、専門家が最適なアドバイスを提供し、トラブルを解決するサポートをしてくれます。私たちの調査により、退職代行サービスのメリットやデメリットをリサーチし、アーティスト退職にも利用できるかどうかを検討することにしました。
まず、退職代行サービスのメリットをリサーチしました。退職代行サービスには以下のようなメリットがあります。
・細かい書類の作成や手続き、面接時のアドバイスなどが、プロの専門家に代行してもらえるため、従業員自らが手をつける必要がない。
・従業員自身が揉めごとに巻き込まれることがなく、アドバイスやサポートを通じてトラブルを回避できる。
・退職代行サービス業者が把握している法律や労働規則などの知識を活用して、最適な解決策を提案してくれる。
・専門家が従業員に代わって、会社側との交渉を行うことも可能であるため、従業員としての負担が軽減される。
このようなメリットがあったため、私たちは「アートワークス」で退職トラブルが起こった場合には、退職代行サービスを利用すべきだという結論に達しました。
しかし、退職代行サービスにはデメリットも存在します。以下がその例です。
・退職代行サービスを利用すると、その費用が発生するため、プロダクション側がコスト負担を強いられることがある。
・専門家に依存するため、自己流の交渉や解決策を実施することができなくなる。
このようなデメリットがあるため、私たちは退職代行サービスを利用するときには、コストと効果のバランスを考慮して、必要な時に必要な範囲で利用することを決めました。
そして、実際に退職代行サービスを利用する機会が訪れました。あるアーティストが契約期間満了を迎え、次のステップに進むために退職希望を提出したのですが、プロダクション側からは不満の声が上がりました。
アーティストの契約解除金が高額であったため、プロダクション側はその負担を避けるために、契約残り期間の中でアーティストの出演を最小限に抑えようと決めたのです。しかし、アーティストは自らの音楽活動を守るため、そう簡単に引き下がることはできませんでした。
そこで私たちは退職代行サービスを利用することにしました。アーティストの代理人を務める退職代行サービス業者にプロダクション側と交渉を依頼し、協議の場を設けることに成功しました。退職代行サービス業者は、アーティストの立場をしっかりと理解し、プロダクション側との話し合いでその不満点を改善することを提案しました。
プロダクション側も、国内外でのアーティストのプロモーションによって認知度が上がることが意義あると評価したため、アーティストの出演枠を増やすことに同意し、契約解除金もアーティスト側に譲歩することに決めました。
結果、アーティストは契約解除金についてもプロダクションに無理を強いることなく、理想的な形で退職することができました。退職代行サービスを利用したことで、時間や労力をセーブすることができただけでなく、プロダクションとアーティストの関係性を円滑にすることができ、トラブルも回避できたという点で、非常に有効だったと感じます。
以上のように、アーティストが退職トラブルに巻き込まれた場合には、退職代行サービスを活用することは大変重要です。アーティストたちは音楽を通じて社会に貢献する存在として、常に最高のパフォーマンスを見せるために、プロダクションとの信頼関係を築くことが必要です。退職代行サービスを利用することで、トラブルを解決し、より良いコミュニケーションを築くことができます。私たちにとっても、アーティストたちにとっても、大きな貢献となるサービスなので、今後も利用を考えていきたいと思います。