退職代行体験談
私は、20年以上勤めた大手企業の校正者として働いていましたが、最近、退職トラブルに見舞われました。私が所属していた部署は、複数のプロジェクトを担当しており、私もその中の一つで、機密性の高い案件であったため、綿密な管理が必要でした。
しかし、ある日、上司から「次回、プロジェクトの発表をする際に、社外の人を招待することになったので、資料を渡すように」との指示がありました。私たち校正者は、慣習的に資料に対して署名・捺印をすることで、品質の担保を行っていました。しかし、社外の人がいる場合は、「署名・捺印はせず、資料のみ渡す」ことが上司から指示されました。
私は、機密性が高い案件であることや、品質の担保が行えないことを理由に、この指示に異議を唱えましたが、上司は「会社の方針」との理由で押し切り、今回だけはその指示通りにするよう指示しました。
すると、翌日、私たち校正者に対して、「署名・捺印をしなかったため、資料の品質が担保されていない」との非難が、社内外から次々と寄せられました。私は、上司からの指示に従ったことを理由に、自己保身のために非難に加わった同僚や社外の人に向かって、弁明することができず、心身ともに疲れ果ててしまいました。
その後、上司はそのことについて謝罪してくれましたが、私は会社に対して失望し、心境の変化を余儀なくされました。そして、職場環境が実質的に悪化したことも考え、退職を決意しました。
退職に際して、会社からは一切の送別会や祝い金などもなく、従業員としての責任を果たしていないとのレッテルを貼られたような気がして、やりきれない気持ちになりました。
このような悲しい経験を通して、私は「会社の方針」という言葉に対して、もう一度見直すことができました。指示されたことが自分自身にとって正しいことでなければ、事実を貫き通すことが大切だと痛感しました。また、職場の環境や上司の人間性にも注意を払うべきだと感じました。
今後、私は、こうした問題が起きないように、自己責任を果たし、会社との良好な関係を築いていきたいと思っています。
